INTERVIEW

FUTURE Sports&Culture Academyで学んだこと

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神奈川校U-14 7番
川田徳周選手

国際感覚を身につけたフットボーラーを目指して

2019年6月23日(日)、日独フットボール・アカデミー神奈川校(JGFA)U-14は伊勢原市立石田小学校で「神奈川県クラブジュニアユース(U-14)サッカーリーグ」を戦っていました。試合開始から時間が経って、ふとベンチに目をやると、いつの間にか私服を着たひとりの少年の姿がありました。スペインに留学中の川田徳周(かわだのりちか)選手でした。学校の夏休みに合わせて、この日にスペインから一時帰国したばかりでしたが、チームの公式戦があると知って、空港に降り立った足でグラウンドに駆けつけたのです。試合後のミーティングではエミルコーチの通訳を務めました。

都内のインターナショナルスクールで小学生時代を過ごした川田選手は英語に堪能です。「去年(2018年)の9月からスペインに留学しているので、ちょうど1年経ちました。今はまだスペイン語を勉強中ですが、スペインでは言葉が通じなくても、“welcome!”という感じで、みんな気さくに接してくれるんです。最近は日本語の方を忘れてきています」と笑顔を見せます。
いろいろな国のサッカースタイルを吸収したい
サッカーとの出会いもインターナショナルスクールでのことです。ブラジル人のJリーガーを父親に持つクラスメイトがいたことから、一緒にスタジアムへ応援に行ったことがきっかけでした。

「――小学2年生の頃ですね。そのまま学校内のクラブでサッカーを始めました。それまでは特にスポーツはやっていませんでした。習い事は、母の勧めで音楽をやっていたので、好きで始めたというわけではありませんでした。でも、サッカーと出会ったときは『こんな面白いものがあるのか!』という感じで、今まで体験したことのない楽しさがありました」

 当時所属していたクラブが、シュタルフ悠紀ヘッドコーチが運営代表を務めるレコスリーグに参加していたことも縁となり、川田選手はジュニアユースになって日独フットボール・アカデミー神奈川校(JGFA)に進みました。

「JGFAの練習は一つひとつが試合につながっていて内容が濃いと感じました。今は、スペインでもサッカーを経験していますが、例えばスペインではウォーミングアップのときにも、狭いスペースで2チームに分かれてパスをつなぐようなポゼッションを重視します。ところがJGFAのようにドイツでは、動き方に決まり事があって『こういうときにはこう動く』というような感じです。どちらが良いとか悪いとかではなくて、そのように国や地域によってサッカーのスタイルに違いがあると知ったときにはビックリしました。世界で通用するサッカープレーヤーになるためには吸収力も必要ですので、それぞれのスタイルを身につけておきたいですね」
他人には頼らないハングリー精神で得点王になる
家庭の教育方針もあり、幼少期から国際的な環境に身を置く川田選手。将来については「自分の人生なのだから自由に生きていい」と家族から言われています。ただその「自由」とは決して甘い言葉ではなく「大人になったときに、家族も含めて人に頼った人生を送るのではなく、自分の力で生き抜いていきなさい」という強いメッセージであるのだと川田選手は理解しているのです

「僕はハングリー精神が結構あるんです。どこに行ってもやっていける自信があります。特に海外での生活では、食事の問題とかもありますけれど、そこはもう慣れるしかないと思っていますので大丈夫です。自分を必要としてくれるところ、自分のことを一番評価してくれるところでプレーをしたいですね」

攻撃が好きだという川田選手は、欧州5大リーグ(プレミアリーグ:イングランド、リーガ・エスパニョーラ:スペイン、セリエA:イタリア、ブンデスリーガ:ドイツ、リーグ・アン:フランス)のクラブで活躍して得点王になるのが目標です。そして、もうひとつの夢があります。

「現役のサッカープレーヤーを引退したら、サッカーの指導者になりたいんです。自分で言うのもなんですけれど、僕はまとめ役が得意なので、サッカーの指導にも自信があるんです。もちろん今はまだ覚えないといけないことがたくさんありますが、JGFAはシュタコーチ(シュタルフ悠紀ヘッドコーチ)をはじめ、みんな個性的です。それぞれのコーチの良いところを学べるように、ミーティングのときの話も意識を高く持って聞くようにしています」川田選手は一つひとつの質問に、ハッキリとした口調で答えてくれます。この取材(8月11日)の翌週には「チームメイトと一緒にプールに行くのが楽しみ」なのだとも教えてくれました。それだけに「もうすぐスペインに戻らないといけないですね」と話を振ったときには、少し寂しそうな表情を見せました。8月の最後の週には再び日本を離れます。

「でも今はLINEやSNSもありますから……大丈夫です!」

 そう言って、すぐに気持ちを切り替えた川田選手。夢に向かって走ります。
※2019年9月時点でのインタビューです。